ニューノーマル時代の自転車レース│フランス非公式TTレースの開催ルール
- 2020.06.17
- 特集 | 新型コロナ
- 新型コロナウイルス

人類は新型コロナウイルスとの共存の時代に入った。スポーツ界も徐々に息吹を取り戻し、自転車ロードレース界も「ニューノーマル」と呼ばれる新しい日常へと漕ぎ出しつつある。
UCI国政自転車競技連合が定めるレース再開は7月1日。ワールドツアー再開は8月1日。その新たなるスタートに向けて、各国連盟やレースオーガナイザーは試行錯誤の真っ最中だ。
たとえばフランスでは、中断前の最後の欧州レース、つまりパリ〜ニースの第7ステージ3月14日(土)からちょうど3ヶ月後の6月14日(日)に、中断後初のレースが開催された。ブルターニュ地方のアルゴルで、「統制下にあるトレーニング」の名目で行われたのは、非公式の個人タイムトライアルレースだった。
以下にアルゴル個人タイムトライアル大会のルールをまとめた。
レース名:Entrainement cycliste dirigé(統制下にある自転車トレーニング)
・個人タイムトライアル、全長12.021㎞
・事前登録方式。参加はフランス自転車競技連盟のライセンス保持者のみ。クラブ単位、もしくは招待による
・参加総数120人、参加カテゴリーは男女エリート、U23、ジュニア
・優勝:ティボ・ゲルナレック(アルケア・サムシック)
<規則:スタート前>
・スタート場所は、駐車場や集合場所とは異なる
・選手はスタートエリアにウォーミングアップを終えた状態で到着すること。現場やスタート付近でのウォーミングアップは禁止
・コース上でのウォーミングアップは禁止
・ゼッケンはヘルメット持参・マスク着用の選手のみに配布される
・ゼッケン配布はつつがない出走管理のためであり、混雑を回避するため
・スタートエリアは一般の立入禁止
・スターターは孤立した自動車内に留まる
・レースコメンテーターは孤立した自動車内に留まる
<規則:スタート>
・2分間隔で出走:スタート時やレース中の「渋滞」を最大限に避けるため
・出走時に係員は自転車を押さえない。選手はフェンスにもたれかかっての出走。このフェンスは各スタート後にウェットシートで消毒される
<規則:レース中>
・後続選手に追いつかれた場合、追いつかれた選手はすぐに追い越しを許し、その後はすぐに縦に10m以上の間隔を開けねばならない(通常ルールでは2m)
・前走選手に追いついた場合、追い抜く際は最低でも横に1.5mの間隔を隔てること
<規則:フィニッシュ>
・フィニッシュラインを越えた後は、選手はコースを速やかに離れること
・フォニッシュエリアは一般の立ち入り禁止
・ゴール審判:ソーシャルディスタンスルールに従い距離を保つこと
・式典はなし:表彰式や授賞式は行われない。タイムや順位は現場で発表されない
・レース後の混雑を避けるため、順位やタイムは当夜に当Webで発表される
・ゼッケン返却の必要はなし
・選手はつまりフィニッシュゾーンに戻ってくる必要なし
参照:sportbreize.com Une confrontation CLM à Argol le 14 juin
text:五色の猫
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