ニューノーマル時代の自転車レース(2)│フランドルのガイドライン
- 2020.06.18
- 特集 | 新型コロナ
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自転車大国ベルギーに、ついにプロトンが帰ってくる。7月1日から、地域連盟の主導による「トレーニングレース」の開催が、許可されるのだ。
それに先駆けた6月15日、フランドル自転車競技連盟とワロニー・ブリュッセル自転車連盟が、それぞれにスポーツ大臣認可のレース開催ガイドラインを発表した。
以下に、フランドル自転車連盟によるガイドラインを、かいつまんで紹介したい。
基本的なガイドライン
・7月1日から適応
・出走人数の制限はなし
・観客は200人まで
・同じ日に同じ場所で複数レースを行う場合は、各レースに1時間の間隔を開けること
出走登録
・完全事前オンライン登録制(連盟のWebサイトより)
・当日の現場登録は不可
・ベルギー自転車競技連盟、フランドル自転車競技連盟、ワロニー・ブリュッセル自転車競技連盟のいずれかが発行するライセンス保持者のみプレ登録可
・レース開始72時間前からは外国発行ライセンス保持者も登録可
・レース開始24時間前まで登録キャンセル可
レース当日
連盟側の対策
・コロナスチュワードの編成:連盟からスタッフを1名派遣し、開催スタッフ1名と共に対策チーム「コロナスチュワード」を編成する。ソーシャルディスタンス確保や観客整理に努める。出走登録手続きの監視も行う(部屋の入口に立ち、選手を1人ずつ招き入れる)
・開催役員とコロナスチュワードにマスク、消毒ジェル、手袋を配布
・出走登録手続き用にプレキシ(アクリル板)を提供
レース開催主の対策
・コロナスチュワード用に対策スタッフを1名供出
・ソーシャルディスタンス規則に従って座席を設置
・可能であれば出走登録手続きは屋外/テントで行う。建物内部で行う場合は、十分な広さがあり、常に換気が行われていること。できる限り入口と出口を分ける。
・ゼッケンとナンバープレート:再利用可能なものを使用する場合、開催委員は消毒スタッフを用意しなければならない。使い捨てゼッケン/プレートの使用も可
選手側の対策
・指導者/家族の出走登録はしない(未成年に限り親/保護者1名の同伴可)
・現地で出走手続きへのサインは不要。ただしライセンスのスキャン認証は行う。ライセンスは担当者に手渡さず、かざすだけでよい
スタートからフィニッシュまで
スタート
・選手帯同スタッフ、開催役員、コロナスチュワードはマスク着用
・スタートエリアの左右はフェンスやテープで仕切り、出走待機中の選手への観客の接近を避ける
・スタートエリアは選手、開催役員、帯同スタッフのみ入場可能
・スタート/フィニッシュエリアに入場可能なのは選手1人につき指導員1人
補給・廃棄ゾーン(マスク着用)
・規定ゾーン手前でのゴミ廃棄は認められない
・ボトル/補給食の選手間での交換は不可
・補給は規定ゾーンのみで許可される
・補給ゾーンの直後に、全長100m前後のゴミ廃棄ゾーンが設置される
フィニッシュ
・観客の人数上限は200人、着席。ソーシャルディスタンス規則を厳守
・スタッフ、役員、コロナスチュワードはマスク着用
・接触を避けるため、道の片側ずつを一方通行にして誘導
・フィニッシュ後、選手はフィニッシュゾーンに留まってはならない、直ちに静かに自動車/更衣室へと向かうこと。表彰されるであろう選手のみ現地に留まる
フィニッシュ後
成績判定
・着順は審判がフィニッシュエリアで判定する
・最終的な公式結果と結果の処理は、関係者のみ入室可能な大会本部で行われる
表彰式
・できるかぎり表彰式は行わない、もしくは最小限に行う
・フォトグラファーと観客の安全のため、ソーシャルディスタンスが確保できる場所を用意すること
・表彰台に登壇するのは選手のみ(役員、招待客、ミスは登壇しない)
・商品、トロフィー、花束等は壇上にあらかじめ用意。指示に従い選手が自ら手にとる
ドーピング検査
・ドーピング検査機構の定める規則に従い行われる
支払い
・賞金は連盟経由で銀行振込にて支払われる(注:7月末まで基本的に賞金は発生しない)
ロジスティック
・レース車両:ドライバーと開催役員(右後)の両方がマスク着用
・その他の車両:車内で適切な距離を開ける、同じバブルに属する場合は同ルール適応なし。マスク着用を強く推奨
・審判車両:全員がマスク着用、車に乗り込む際に手を消毒
・大会本部:審判以外にはスピーカー1人、オフィシャル最大3人のみ入室可能。入室時マスク着用・手の消毒。プレキシで空間を隔てるとなおよい
・フォトフィニッシュ室:入室時マスク着用・手の消毒。機材オペレータとフィニッシュ審判/タイム審判のみ入室可能
更衣室・シャワー室
・7月1日以降、公衆更衣室・シャワー室の使用は許可される
・主催者はシャワーと更衣室の提供に細心の注意を払い、具体的な使用計画を立てること(人数制限、消毒プラン等)
医療班
・2019年発行の政令と「サイクリング医療支援規則」に従い、Covid19の懸念のある出走者や観客への対処法を熟知した救急医療チームを配属
ケータリング
・一般的な外食産業に課された規則に従う
観客
・スタート/フィニッシュは人数制限、最大200人、着席、ソーシャルディスタンスを常に厳守
・フィニッシュゾーンでは観客の混雑をさけるため道の片側ずつを一方通行にして誘導
メディア
・屋外にて選手/開催委員のインタビューと写真撮影のみ許可される
・インタビュー時には適宜な距離を保つこと
参照:フランドル自転車競技連盟 地方規模のロードレース大会開催ガイドライン
text:五色の猫
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