「バブル」でプロトン全体を包む│UCIのレース再開ガイドライン(2)
- 2020.06.25
- 特集 | 新型コロナ
- UCI, 新型コロナウイルス

UCIのレース再開ガイドライン INDEX
(1)リスクとパンデミック警戒レベルを認識せよ
(2)「バブル」でプロトン全体を包む
(3)レースデーは毎日問診・休息日はPCR検査
リスクとパンデミック警戒レベルを正しく認識した後は、いよいよ本格的な新型コロナウイルス対策に取りかかる。
その際に最も重視すべきは次の点だ。
原則として参加チーム単位で「チームバブル」を形成し、そこからさらに「プロトンバブル」の形成につなげる
※バブルについてはこちらの記事で詳しく解説してあります
また中・小・極小という3つの警戒レベルによって、開催に向けて取られるべきそれぞれの対策は、義務 / 推奨 / 望ましいの3種類に区分される。
開催に向けて ―バブルがはじけぬよう準備を
1 大会専任のCOVID-19コーディネーターを任命
コーディネーターはパンデミック警戒レベルの確認や感染対策の配置、開催委員会と自治体保健所との交渉仲介等を行う
2 チーム単位で「バブル」を保てる宿泊施設を用意
1つのチームを同じ階に集める(もしくは同じ棟)、独立した専用の食事場所を提供する、ホテル従業員への感染防止対策徹底
3 COVID-19の疑いが発生した場合に備える
ステージレースや複数の日程にまたがる開催の場合、COVID-19感染の疑いのある人物を診察前に隔離するため、1チームあたり1部屋を余分に確保
4 参加チームに予防対策を実践させる
個々の感染対策、メカ類の消毒、チームバスの清掃や消毒、バスへの乗車人数制限等々
開幕に向けた対策 | リスク 中 |
リスク 小 |
リスク 極小 |
1 コーディネーター | 開催委員 義務 |
開催委員 義務 |
推奨 |
2 バブルを保てるホテル | 開催委員 義務 |
開催委員 義務 |
推奨 |
3 もしもの備え | 開催委員 義務 |
開催委員 義務 |
推奨 |
4 チームの予防対策 | チーム 義務 |
開催委員 義務 |
推奨 |
開幕前 ―安全なバブルを作り上げるために
1 移動「前」にチームに帯同する全員が検査を行うこと
シーズン再開前に血液検査を行うよう推奨する。抗体検査が陽性の場合、今季の残りレースにCOVID検査なしで参加を認める証明書をUCIが発行。抗体保持者でない者は、以下の手続きを踏む
・レース前の5日間、毎日、COVID問診*。チームドクターは遠征予定者に「強い疑い」スコアや、5日間のうち2日間以上「中程度の疑い」スコアを出した者がいないよう管理すること
・出走するためには大会前10日以内に行われたPCR検査で陰性であること
・10日以内のPCR検査結果がない場合、スタート地到着の少なくとも72時間前までに検査を行う
・検査費用はチームの負担
COVID問診*
38度以上の発熱4pt/呼吸困難を伴う咳4pt/
通常とは異なる頭痛2pt/異常な疲労感2pt/
咳1pt/鼻詰まり・喉の痛み1pt/臭覚の喪失1pt/通常とは異なる痛み1pt/下痢・嘔吐1pt/
合計〜2pt:ほぼ疑いなし / 3〜5pt:中程度の疑い / 6pt〜:強い疑い→PCR検査
・レース開幕地への移動3日前:COVID問診+1度目のPCR検査
→陰性の場合のみレース開幕地への移動が認められる
・レース開幕地への到着後:毎朝COVID問診+レース開幕の少なくとも72時間前に2度目のPCR検査
→陰性の選手とスタッフはチームバブルの一員と認められる。同検査を通過した全チームの全員がプロトンバブルの一員と認められる
移動前に取るべき対策 | リスク 中 |
リスク 小 |
リスク 極小 |
移動前のCovid-19診断 | チーム 義務 |
チーム 義務 |
推奨 |
参照 2020年6月15日付け UCI Procedures to be followed for the re-opening of the road cycling season in the context of the coronavirus pandemic
(3)レースデーは毎日問診・休息日はPCR検査へ続く…
text:五色の猫
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