プロってなんだろう│成猫への道

この場を借りて五猫は勉強することにしました。
プロになりたい。そう誓って自転車ロードレースに励む若い選手たち。選手を日々支える指導者や関係者のみなさん。
そんな彼らを応援するにはもっともっと知識や経験が必要だとしみじみ痛感するからです。
見て、聞いて、調べて、学んで、考えて。そして記事にします。ちょっとでも誰かやなにかの参考になるとよいなと願いつつ。
🐾🐾🐾
成猫への道。
まずはプロという立場と、プロ総数に対する新人の数をざっくり把握してみました。
2020年シーズン、自転車ロードレースチームのトップカテゴリー、UCIワールドチーム(以下WT)は男子が計19チーム、女子が8チーム。そのひとつ下のカテゴリーに当たるUCIプロチーム(男子のみ、昨季までのプロコンチネンタルチーム、以下PT)も全部で19チームある。
UCI国際自転車競技連合の統括する自転車ロードレースの世界において、いわゆる「プロフェッショナル」と呼ばれるのは、上記2つのカテゴリーに属する選手のみ。
UCIの厳しい審査条件をクリアしてようやく登録が許されるWTやPTと異なり、日本にも10チーム存在するUCIコンチネンタルチームは、所属国連盟の基準のみに委ねられる。原則的にはプロではないが、プロ登録や、選手(の一部)をプロ登録することは認められている。
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さて、WTで走る男子選手は、7月1日現在、トータル543人。PTには418人が属している。
*UCI国際自転車競技連合によれば7月1日現在WT539人・PT409人。ただし移籍動向の調査のため、ここではPro Cycling Statsのデータを参照する。
つまり地球上でも1000人弱しか、男子プロ自転車選手は存在しない。伝統的に自転車競技の盛んなイタリアには129人、フランスには125人のプロがいる。
肝心の日本人プロ選手は、6人だ。
WTのバーレーン・マクラーレン所属・新城幸也とNTTプロサイクリング所属・入部正太朗、そしてPTはNIPPO・デルコ・ワンプロヴァンス所属の別府史之・中根英登・岡篤志・石上優大である。
また過去10年をさかのぼるとWT経験者は新城・別府・入部・宮澤崇史・増田成幸のトータル5人で、(上記5人を除く)PT経験者は土井雪広、佐野淳哉、西薗良太の3人に、もちろんNIPPOがプロカテゴリー登録を始めた2015年以降の14人。
つまりこの10年間で、日本人プロ自転車選手は計22人いた。
2020年プロ自転車ロードレース選手のうちわけ
選手総数 | 新人数 | 19歳以上23歳未満の新人 | 23歳以上26歳未満の新人 | 26歳以上の新人 | |
全体 | 961(6) | 142(3) | 97 | 33 | 12 |
WT | 543(2) | 59(1) | 46 | 8 | 5(1) |
PT | 418(4) | 83(2) | 51(1) | 25(1) | 17 |
*カッコ内は日本人
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2020年には142選手が晴れてプロデビューを果たした。すなわち現役の約15%を新人が占める。
ただ最初からWT入りを果たす若者が59人と、現役の約11%に留まるのに対して、「育成」を謳うチームも多いPTは、約20%の83人がプロ1年生。
プロ契約を結べるのはU19を卒業後=19歳の誕生日を迎えるシーズンから。やはりU23時代、もしくは卒業と同時にプロになる選手が多い。2020年の新人142人のうち、97人が23歳未満でプロ契約を結んでいる(WT46人、PT51人)。
またU23を超えてはしまったものの、いわゆる「ネオプロ」と呼ばれる26歳未満でプロの座を勝ち取ったのが33人(WT8人、PT25人)。
参考までに、ネオプロに該当する26歳未満+初めてのプロ契約の選手には、必ず2年契約が与えられる。しかも所属選手が29人のプロチームは最低1人、30人以上のチームは最低2人のネオプロを雇わねばならない。
もちろん26歳の誕生日をすぎた選手にも、プロの門は開かれている。2020年はWT5人+PT7人=12人が遅い春を迎えた。
text:みやもとあさか
タイトルフォント:青柳漱石フォント
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