東京五輪延期 | 選手たちの反応(6)バルデ

東京五輪延期 | 選手たちの反応(6)バルデ

3月24日(火)の東京五輪延期のニュースを受け、有力メダル候補たちが次々とコメントを発表した。

東京五輪でのメダル獲得目指して、2020年は特別スケジュールを立てていたのがロマン・バルデ(AG2R La Mondiale)。7年連続で出場してきたツール・ド・フランス行きを諦め、初めてのジロ・デ・イタリア参戦で、日本行きへ向けたコンディション調整を行うはずだった。

また本来であればイタリアの空気に慣れるため、この春はティレーノ~アドリアティコ行きを予定していたが、新型コロナウイルスの急速な拡大感染のため開幕5日前に延期が決定。急遽フランスに渡り、パリ~ニースに出場するも、やはり最終日を待たずにレースは終了している。

大きな目標を失い、戸惑いながらも、バルデは「世界の一市民」として極めて冷静に現状を分析する。コメントは以下の通り。

(五輪延期は)予想されていたこと。論理的だし合理的な決断だと思う。そもそも僕自身、現在の世界情勢や今後の進展の不確実さを考えると、五輪参加なんてありえないと思っていた。

スポーツの観点からしか物事を心配しないなんてエゴイストみたいだから、自分は世界の一市民だと思うようにしてる。ただ状況が壊滅的すぎて現実味がないし、アスリートとして考えるのは難しい。

延期にはむしろほっとしている。専門家たちでさえ感染拡大を予測できなかった。解決にどれくらい時間がかかるのかさえ判断できていない。たった半年足らずで、高い安全性を保証しつつ、世界中から選手を迎え入れてスポーツを謳歌できるはずだと信じるなんて、幻想でしかなかったんだ

引用:3月24日付け L’EQUIPE.fr :”Romain Bardet, à propos de la pandémie de coronavirus : « Quand je vois ce qui se passe, je reste sans voix »

text : 五色の猫 photo : AG2R La Mondiale