CPA(プロ選手協会)が減俸や解雇について声明を発表

CPA(プロ選手協会)が減俸や解雇について声明を発表

新型コロナウイルス感染拡大により停止したレース活動は、いまだに再開の見通しが立たない。

大会が行われないことによる主催者の経済的損失だけでなく、活動費の90%以上をスポンサー費でまかなう自転車チームにとって、人の移動や接触が制限され、生産や物流が停止し、消費にも大きな影響が出ている現在の状況は、とても危機的なものだ。

スポンサー企業の経営状態が悪化し、スポンサー費がカットされれば、チームは急激な資金難に陥る。

実際、いくつかのチームではすでに選手の給与カットが行われた。
ロット・スーダル → 自主的に10%、アスタナ → 3ヶ月間30%、バーレーン・マクラーレン → 3ヶ月間70%、ミッチェルトン・スコット → スタッフも70%)

また、ベルギーではロット・スーダル、シルキュス・ワンティ・ゴベールとビンゴール・WB、フランスではBBホテルズ・ヴィタルコンセプトが『一時的失業制度*』を利用し、スタッフを一時的な失業状態に置いていると報じられた。

*一時的失業:企業が一時的な活動停止や、被雇用者の労働時間を短縮せざるを得ない状況下にある場合、被雇用者を一時的な失業状態におくこと。雇用者は政府からの援助を受け、国の定める割合で被雇用者へ給与を支払う。また雇用契約は継続され、一定期間内の職場復帰が保証される。

もっとも大きな痛手を受けたのは、チームCCC
メインスポンサー(ポーランドの靴・バッグ製造販売企業)が経営難に陥り、スタッフほぼ全員が即時解雇、選手給与は大幅にカットされた。UCI規則に反し、今後給料支払いが停止になる可能性もあるという。

このような状況の中で3月30日、プロサイクリングチームの代表組織であるAIGCP(国際プロ自転車チーム協会)はUCIに要望を提出(ワールドチーム19チーム、プロチーム13チームが連名)。

今回のような例外的状況において、雇用契約を維持したままの休暇(支払停止か減給)、給与支払いの繰延、給与削減、一時解雇(事態収束後に復職可能)などの措置を取れるよう選手契約に関するUCI規則を緩和すること(現行では不履行があった場合チームの銀行保証から支払われることになっている) 、また、UCIワールドツアー準備基金(UCI WorldTour Reserve Funds)を利用して経営が困難になったチームを支援することなどを求めた。

(UCI 2018 Annual Report より)

この動きを受けて、今度はプロ選手の代表組織であるCPA(プロ選手協会)が声明を発表した。

『この危機的状態においてスポンサーやチームが直面する苦境は理解している。我々の側でも、耳を傾け、自転車競技全体のことを考えて妥協する準備はできている』
『しかし同時に、推測で議論を進めるのを避け、選手やその家族の困難をなるべく軽減するのが我々の務めだ』
『AIGCPが(給与や雇用について)求める柔軟性は受け入れるが、それでもルールは尊重されるべきだ。どうしても契約を守ることができないという証拠なしに大幅な給料削減を行うことは到底認められない』
『選手、スタッフ、サイクリング・ファミリーのメンバーの誰一人も切り捨てられないよう、最良の解決策を見つけるために皆が努力することを願う』
(CPA会長 ジャンニ・ブーニョ)

『今回初めて選手エージェント(代理人)とワーキンググループを結成した。誰かが得をする一方で誰かが不利になる決定をしてしまわないように、彼らとの協力が本当に必要になるからだ』
『一律の給与削減は決して受け入れない。一つ一つのケースを精査し、それぞれに合わせた支援や解決策を考えていく。我々は今、大きな嵐の中で、同じボートに身を寄せ合っているようなもの。皆を救うためには、共通の原則を尊重し、チームとして動かなければならない』
(CPA事務局長 ローラ・モラ)

text:五色の猫