新型コロナウイルスが地球規模で感染拡大し、多くの国家が外出制限に踏み切った。
大多数は「健康維持のため」の外出を認めたが、自転車選手の屋外トレーニング禁止/実質的に不可能の国も存在した。その代表格がグランツール開催国のイタリア、フランス、スペインであり、多くの自転車選手たちが暮らすモナコやアンドラだった。昨ツール覇者ベルナルの祖国コロンビアも、屋外での運動を長期間禁じていた。
以下に各国の対応をまとめた。
*5月16日現在。言語的限界で不明瞭な部分もあることをご了解ください。
アイルランド
屋外トレーニング:可(5月5日より自宅半径5km圏内)
国の状況:3月28日から外出制限
3月28日 |
政令発動。外出制限。運動は自宅から半径2km圏内に限り可。同居人以外との運動は許可されない。 |
3月31日 |
アイルランド自転車競技連盟が通達。政府ガイドラインに従うよう呼びかける。 |
5月5日 |
運動可能な距離が自宅から半径5㎞圏内に拡大。 |
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アメリカ
屋外トレーニング:可(他者との距離は6フィート)
国の状況:3月13日に非常事態宣言、43の州で外出制限、3つの州で外出自粛
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アンドラ
屋外トレーニング:可(3月18日〜5月3日不可、2日に1回、2時間以内)
国の状況:越境制限、3月18日から一部職業の活動停止、4月20日から段階的解除
3月18日 |
政令発動。最低限の生活維持に必要のない職業は活動停止。結果的にスポーツ選手の職業活動も禁止された。屋外での軽い運動は禁じないが、できる限り避けること。 |
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アンドラ自転車連盟が声明。屋外トレーニングは避けること。 |
5月4日 |
職業活動停止の第2次解除。プロ自転車選手の屋外トレーニングが以下の条件で認められる。 ・48人のプロ選手を24人ずつ2グループに分割。各グループの選手は1日交代で練習可能。 ・練習は単独で。 ・11時から14時まで、2時間以内。 ・走行可能な場所はオルディヤからアルカリスまで、決められた2つの地点の間のみ。オルディア峠を含む。
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イギリス
屋外トレーニング:可(1日1回)
国の状況:3月23日から外出制限
*イングランド、ウェールズ、スコットランド、北アイルランドの全行政区分で同ルール
3月19日 |
イギリス自転車連盟が屋内トレーニングを奨励。8週間のバーチャルライドシリーズを発表。 |
3月23日 |
非常事態発動。外出制限。「屋外で過ごす時間は最小限に」との注意書きはあるが、運動は1日1回のランニング、ウォーキング、サイクリングは可能。1人で、もしくは同居人と一緒の場合のみ許可。同居人以外とすれ違う際は2mの距離を置くこと。 |
3月23日 |
イギリス自転車連盟が公式Webに専用Q&Aページ開設。政府ガイドラインに従わず集団練習を行った際の事故は、保険適応外になる可能性があると明記されている。 |
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イタリア
屋外トレーニング:可(3月18日〜5月3日不可)
国の状況:1月31日に非常事態宣言、3月8日から北部で外出制限、3月10日から全土で外出制限、5月4日より制限解除
3月10日 |
政令発動。全国で外出制限。プロ&五輪代表級アスリートの屋外トレーニングは可。 |
3月10日 |
イタリア自転車プロ選手組合(ACCPI)が通達。屋外トレーニングの際は連盟ライセンスと外出申告書を保持すること。 |
3月18日 |
ACCPI会長が声明。練習は1人で、幹線道路を避け、できるだけ毎日同じルートを走ること。 |
3月18日 |
イタリア自転車競技連盟(FFI)の要請により、ACCPIがプロ選手へ屋外トレーニングを断念するよう通達。 |
4月26日 |
5月4日の外出制限緩和と共に屋外トレーニングも可能になると発表される。単独での練習。他者との距離は2m保つこと。 |
5月1日 |
イタリアプロ選手協会が屋外トレーニングの指針を発表。 |
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エクアドル
屋外トレーニング:不可
国の状況:3月17日から外出制限
3月17日 |
外出制限発動。エクアドルスポーツ連盟が通達。散歩や屋外スポーツは一切許可されない。 |
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オーストラリア
屋外トレーニング:可(最大2人、もしくは同居人とのみ)
国の状況:3月18日にバイオセキュリティ法実施宣言(緊急事態宣言)、3月29日から外出制限
3月29日 |
政府内閣が通達。屋内外で集会できるのは最大2人まで。同居人の場合は人数制限なし。人数を守る限り身体運動は許可される。 |
3月31日 |
オーストラリア自転車連盟が、政府ガイドラインを守るよう通達。 |
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内閣通達を受け各州が州令発動。外出制限。 |
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オランダ
屋外トレーニング:可(最大2人、間隔1.5m)
国の状況:3月23日にソーシャルディスタンスルールを発表
3月23日 |
政府がソーシャルディスタンスルールを通達。外出は許されるが、集団で行動してはならない。同居人以外の他者との距離は、1.5m以上開けること。 |
3月23日 |
オランダ五輪委員会が声明。屋外スポーツは最大2人まで許可。1.5mの距離を保つこと。 |
3月23日 |
オランダ自転車連盟が、五輪委員会のガイドラインを守るよう通知。 |
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カナダ
屋外トレーニング:可(他者とは2mの距離)
国の状況:3月18日から国内外の移動自粛、外出の自粛
3月27日 |
カナダ自転車連盟が通知。屋外トレーニングは可能。ただし各州政府が独自ルールを制定する可能性もあるので注意すること。他者とは2mの間隔を保つこと。 |
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コロンビア
屋外トレーニング:可(1日1時間、4月26日までは不可)
国の状況:3月17日に非常事態宣言、3月17日から時間により外出制限、3月24日から全日外出制限
3月17日 |
平日は22時から朝4時まで外出制限、休日は24時間外出制限。 |
3月25日 |
政令発動。全日外出制限。犬の散歩以外、身体運動のための外出は認められていない。 |
4月26日 |
4月27日より屋外での身体運動が認められる。条件は単独で、他人との距離を守ること。18歳から60歳まで。1日最大1時間。ただし各自治体の権限で時間や条件を規定できる。 |
5月16日 |
連盟と政府により111選手に特別屋外トレーニング許可が発行 |
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スイス
屋外トレーニング:可
国の状況:3月16日に非常事態宣言、陸の国境閉鎖
3月16日 |
非常事態宣言。外出自粛を求める。 |
3月16日 |
スイス自転車連盟が通知。集団トレーニングをやめ、単独トレーニングに切り替えるよう呼びかける。 |
3月20日 |
政令により5人超の集会禁止。州単位での制限強化。 |
3月20日 |
スイス自転車連盟が通知。単独での屋外トレーニングは引き続き許可。 |
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スウェーデン
屋外トレーニング:可
国の状況:50人超の集会禁止
3月27日 |
政府により50人超の集会禁止。 |
3月27日 |
スウェーデン自転車連盟が通知。自転車レースやイベントの中止を要請。屋外トレーニングは奨励。 |
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スペイン
屋外トレーニング:可(3月14日〜5月3日不可)
国の状況:3月13日に非常事態宣言、3月14日から外出制限、3月16日陸国境閉鎖
3月14日 |
非常事態宣言により外出制限。運動を目的とする外出は不可。移動手段としての車両(自転車も含む)使用は可。 |
3月16日 |
スペイン自転車連盟(RFEC)が通達にて「サイクリング禁止」を明言。 |
3月16日 |
バスク自転車競技連盟が通達。あらゆるレベルでの屋外トレーニングを禁じると共に、外出制限中に屋外練習で事故の際は保険適応外と警告。 |
5月4日 |
外出制限解除。屋外トレーニングが正式に認められる。RFECが通達。 ◆プロ・代表級アスリートの場合 ・連盟ライセンスやチームの在籍証明を携帯すること。 ・自宅のある地方内だけで練習すること。 ・単独練習が好ましいが、プロ選手1名、もしくはコーチ1名の帯同は認められる。その場合はマスクを着用し十分な間隔(推奨される安全距離は10m)を保つこと。 ◆それ以外 ・朝6〜10時、夜20〜23時の時間内のみ許可。1日2回可能。 ・自宅のある自治体内だけで練習すること。 ・単独練習のみ。
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スロベニア
屋外トレーニング:可(自宅のある自治体内で)
国の状況:3月20日から外出制限
3月20日 |
政令発動。外出制限。ウォーキングのための外出は許可。単独、もしくは同居人とのみ。 |
3月20日 |
スロベニア自転車連盟が通知。警察と国立衛生研究所の指導を仰いだ結果、サイクリングもウォーキングと同ルールを適用。 |
3月29日 |
政令発動。ウォーキング範囲は自宅のある自治体に限定。 |
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デンマーク
屋外トレーニング:可(単独が好ましい)
国の状況:3月14日国境閉鎖、3月18日から10人以上の集会禁止
3月18日 |
政令発動。10人以上の公共の場での集会禁止。屋内スポーツは不可、屋外スポーツは可。 |
3月23日 |
デンマーク自転車連盟が通知。集団での屋外トレーニングは避け、単独、もしくは親しい1人とのみ行うべきである。 |
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ドイツ
屋外トレーニング:可(最大2人で)
国の状況:3月18日から複数の州で外出制限、3月23日から全土で2人超の集会禁止
3月18日 |
一部の州で外出制限開始。ドイツ五輪委員会が、屋外トレーニングは単独で行うよう通知。 |
3月23日 |
政令発動。2人を超える集会禁止。同居家族の場合を除く。他人との間隔は1.5m以上保つこと。運動のための外出は許される。 |
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日本
屋外トレーニング:可(3密を避ける)
国の状況:4月7日に緊急事態宣言
4月7日 |
政府により緊急事態宣言。5月6日まで緊急事態措置を7都府県で実施。外出・移動の自粛を要請。 |
4月9日 |
日本自転車競技連盟が通知。「積極的な外出を奨励することはできない」とするも、自転車に乗る場合の注意点を以下のようにあげる。 ・身体に不調を感じている方は、自転車に乗ることは控える。 ・いわゆる3密(密閉空間・密集場所・密接場所)は避ける。 ・自転車の整備や交通安全に気を付け、事故を起こさないようにする。 |
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ニュージーランド
屋外トレーニング:可(単独・同居人と地元で)
国の状況:3月25日に非常事態宣言、外出制限
3月25日 |
国民健康法1956に基づき制定された警戒レベルが4に到達。外出制限。単独もしくは同居人とのウォーキング、ランニング、サイクリングは奨励。2mの間隔を守ること。探索・救助活動が必要となる活動は行わないこと。地元を離れないこと。 |
3月26日 |
NZ自転車連盟がレベル4を受け通知。 ・できる限り屋内練習に切り替えよ。 ・屋外練習は単独で、もしくは家族と行うこと。 ・自宅から練習に行くこと。自動車で移動後の練習はするな。 ・地元での短距離ライドに留めよ等々。 |
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ノルウェー
屋外トレーニング:可(単独を推奨)
国の状況:3月12日から集会禁止・交流制限
3月12日 |
政府により感染防止法発動。屋内外のスポーツイベントは禁止。 |
3月23日 |
ノルウェー自転車連盟(NCF)がZwift連盟杯を立ち上げる。 |
4月1日 |
政府保険局の指導によりノルウェー五輪委員会(NIF)が練習ガイドラインを制定。5人までの小集団で、各人の間隔を2m以上あけてのトレーニングは許可される。 |
4月3日 |
NCFが通知。屋外トレーニングは単独で行うよう強く推奨。各スポーツ団体ガイドラインが、NIFガイドラインよりも厳格な場合は、当該スポーツ団体のガイドラインが適応される。 |
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フランス
屋外トレーニング:可(5月11日から)
国の状況:3月17日から外出制限、5月11日に解除
3月14日 |
フランス自転車競技連盟(FFC)が屋外トレーニングを中止するよう通達。 |
3月17日 |
政令発動。外出制限。自宅近所での短時間の個人的身体活動は可(集団スポーツ除く)。 |
3月17日 |
フランス自転車プロ選手組合(UNCP)が公道でのトレーニング禁止を通知。 |
3月18日 |
FFCが屋外トレーニング禁止を改めて通達。 |
3月24日 |
政令一部変更。屋外での個人的身体活動は1日1時間以内、自宅から半径1㎞圏内、同居家族の同伴のみ可(集団スポーツや他の他者との接近は不可)。 |
3月28日 |
FFCが新たな通達。自転車使用は「通勤」に限定。子供の身体活動として自宅1㎞圏内で自転車に乗るのは許可。その場合も大人は徒歩で同伴すること。 |
5月11日 |
外出制限解除。自宅から100㎞圏内での屋外トレーニング認められる。FFCの通達では; ・他人との距離は停止中1.5m、走行中10m ・10人超の集団走行は不可 ・練習前後にどこかに立ち寄る際はマスク着用 |
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ベルギー
屋外トレーニング:可(5月4日から最大3人での練習可)
国の状況:3月18日から外出制限
3月13日 |
ベルギー自転車競技連盟(RLVB)が通達。集団での屋外トレーニングを禁止。 |
3月18日 |
政令発動。外出制限。屋外での身体運動は1人で行う場合、もしくは1.5mの間隔を保ちつつ同居家族/常に同じ友達と一緒に行う場合は可。 |
5月4日 |
RLVBが通達。屋外練習パートナーは同居家族、もしくは常に同じ友達2人まで(1人→2人に増加)。 |
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ポーランド
屋外トレーニング:可(1日1回)
国の状況:3月24日から外出制限
3月24日 |
政令発動。外出制限。 |
3月24日 |
ポーランド自転車連盟が通知。屋外トレーニングは1日1回許される。単独、もしくは最大でも2人で行うこと。 |
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モナコ
屋外トレーニング:可(5月11日より仏越境練習も可に)
国の状況:3月18日から外出制限、5月4日に制限解除
3月18日 |
閣議決定により外出制限。屋外での運動は自宅周辺で、短時間のみ許される。 |
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モナコ自転車連盟は屋外トレーニングの中止を推奨。 |
4月3日 |
閣議決定。屋外での運動は、集団スポーツや他人との距離が近いものは禁止。最低1.5mの感覚を開くこと。22時から朝5時までは身体運動のための外出禁止。 |
4月10日 |
外出制限ルール強化。屋外での運動は「単独で」に限定。 |
5月4日 |
外出制限と夜間外出禁止が解除。5人を超えない屋外スポーツは「モナコ国内」で自由。 |
5月11日 |
フランスの外出制限解除により、フランスへの越境練習も可能に。自宅から100㎞圏内。 |
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ルクセンブルク
屋外トレーニング:可(単独、もしくは同居人と)
国の状況:3月17日に非常事態宣言、3月18日から外出制限
3月18日 |
政令発動。外出制限。屋外トレーニングは単独、もしくは同居人とのみ可。他者との間隔は2m以上保つこと。 |
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ロシア
屋外トレーニング:連邦・都市による、モスクワは不可
国の状況:3月28日国境閉鎖、85の連邦のうち83がなんらかの外出制限
3月30日 |
モスクワとモスクワ周辺に外出制限。通勤と必要最低限の買い物、ゴミ捨て、犬の散歩(家の周辺100m)以外の外出は禁止。 |
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