ツール新日程は8月29日│開催委員長プリュドムの声明

ツール新日程は8月29日│開催委員長プリュドムの声明

2020年4月15日、水曜日。13時。新型コロナウイルスの封じ込め対策のため、フランス共和国大統領が「7月中旬までのイベント中止」を発表してわずか1日半。フランス公共放送局のTVニュース生中継に、ツール・ド・フランス開催委員長クリスティアン・プリュドムが登場した。文字通りトップニュースだった。

たった今、UCI国際自転車競技連合との電話会談を終えたところです。実のところ、ほんの数分前から正式なものとなったはずですが……ツール・ド・フランスの新しい日程は、8月29日(土)から9月20日(日)までに決まりました

1903年に誕生し、2度の大戦では中断も経験したツールだが、シーズンのこれほど遅い時期に開催されたことは史上かつてない。夏休みの風物詩が、あえて8月末からの開催を選んだ理由を、プリュドムは「外出制限下の選手たちには準備期間が必要だから」と解説する。実際に屋外トレーニングが不可能な国は、フランスを筆頭に複数存在する。

またツールのステージ地となる全49自治体、UCI国際自転車競技連合、フランス自転車競技連盟、フランス政府の各省庁等々と入念な調整を重ねた結果だとも語る。同日ほぼ同時刻にUCIは新日程についての基本路線を発表している。


クリスティアン・プリュドム(ツール・ド・フランス開催委員長)

ツール・ド・フランスで最も大切なのは、フランス。つまり国の健康状況が最も大切です。当然ながら国の指導に従って開催するつもりです。

選手たちには目標が必要です。予定よりもほんの少し先だし、もしかしたらほんの少し観客は少いかもしれない。間違いなく外国からのファンは減る。でも笑顔はそこにあるはずです。ツールの沿道で最も大切なのは笑顔です。いつもより数は少くても、いつもと同じくらい大きな笑顔があるはずです。

おそらく外出制限解除後に行われる最初の大きなイベントになります。未来へ進むための「灯台」であり、「そうだ、僕らは抜け出せるんだ」と自分自身に言い聞かせるきっかけです。今はまだ全ての人が戦わねばなりません。この戦いに勝った先にこそ、ツールがあるのです。

text:五色の猫