ツール新日程発表を受けて(1)アラフィリップ
- 2020.04.16
- グランツール ツール・ド・フランス 特集 | 新型コロナ
- Alaphilippe, ツール・ド・フランス, 新型コロナウイルス

ツール・ド・フランス新日程(8月29日~9月20日)がTVニュースで発表された直後、昨大会の英雄ジュリアン・アラフィリップが、ピレネー山脈の小国アンドラの自宅から生中継でコメントを発した。
包み隠さず言うと、ニュースを聞いてものすごく嬉しい。この状況の中で希望を失いかけていたから
*twitter内の動画は地域制限がかかっております。
昨季12勝をもぎとり、ツールではマイヨ・ジョーヌを14日間着用したアラフィリップだが、2020年はトータル18日間レース出走していまだ勝ち星ゼロ。そんな中に訪れた新型コロナウイルス禍とシーズン中断に、どうやら「ルル」は小さな不安を抱えていたようだ。
翌4月16日付の『L’EQUIPE』紙のインタビューでは、アラフィリップがツールの新日程決定で、モチベーションを激しく燃やす様子がうかがえる。
ここ数日、ツールのない空白のシーズンになるかもしれない、と覚悟してた。人々が健康を取り戻し、家族と再会し、普通の生活を取り戻せる日がきっと来る……と希望は持ちつつも、レースに関しては分が悪いと諦めてた。ツールがあるという知らせは、すべての選手のやる気にはずみをつけてくれるはずさ。
夏休みの後の、新学年が始まる時期だから、沿道の観客は減る。当然、雰囲気も少し変わるだろう。でもね、それぞれが胸に懸けるものは、すごく大きいはず。レベルも間違いなく高い。誰もが300%の調子で臨もうとするよ。大会にふさわしい走りをするために……。
引用:L’EQUIPE 2020年4月16日付け « Une source supplémentaire de motivation »
ところでアラフィリップが暮らすアンドラでは、屋外トレーニングが禁じられている。テレビ中継でも「室内で練習してるだけ」と語った通り、すでに1ヶ月近く外を走っていない。ウルフパックの仲間たちと遠く離れ、日々孤独にローラー台を回しているのだろう。画面越しに見えるアラフィリップの顔に、自転車選手独特の日焼けの跡はない。
僕は屋内練習は好きじゃないし、近頃盛んなバーチャルレースのファンでもない。自分らしい競技の実践法とは違うし、どうも打ち込めない。僕は本物のレースを欲している。精神を懸け、肉体の苦しみを感じ、人々に喜びを与えたい。
引用:L’EQUIPE 2020年4月16日付け « Une source supplémentaire de motivation »
text:五色の猫、photo:Deceuninck – Quick Step
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