ツール新日程発表を受けて(3)ラトゥール

ツール新日程発表を受けて(3)ラトゥール

2020年ツール・ド・フランスの新日程が8月29日〜9月20日に決定したことについて、Ag2r ラ・モンディアルはいち早くリリースを配信。ゼネラルマネージャーのヴァンサン・ラヴニュとピエール・ラトゥールの声明を発表した。

ピエール・ラトゥール(AG2R LA MONDIALE)

ツールが8月末に走り出すということは、すなわちフランスの状況や、さらに言えば世界の状況が好転しているという意味になる。

自転車シーズンが再開できるのは嬉しいし、これが人々に笑顔をもたらし、他のことを考える余裕を与えるのだとしたら、それこそが大切なこと。

 

ただし自転車ファンの目を引くのは、むしろGMラヴニュの「(ツール)スタート地には最高の切り札を揃えて乗り込む。おそらくロマン・バルデとピエール・ラトゥールのデュオで臨む」というコメントだろう。

本来ならバルではジロ・デ・イタリアで、ラトゥールはツール・ド・フランスで、それぞれに単独エースを務めるはずだった。ただし新型コロナウイルスの影響でレースがすべて中断され、東京五輪は1年延期、ジロは開催日未定……となったことで状況は大きく変わった。総合表彰台2回、山岳賞1回のバルデがツール行きに目標変更するのは自然の流れであり、バルデがツールを走るなら……やはりチームのエースはバルデだ。

この件についてラトゥール本人は、地元ラジオ局france bleuのインタビューで手短に語っている。

ステージレースで総合を狙うなら、エースは複数いたほうがいい。落車があったり、どちらかが不調に陥ったりした場合に、いつだって有効なんだ。しかも2人が揃って総合上位にとどまった場合は、それを切り札に使える。

(秋開催について)いつもよりは観客の数は減るだろう。でも、もしもツールが開催に漕ぎつけられたら、つまりは状況が好転しているということだし、すべての人々がほぼ普通の生活を取り戻せたということになる。たとえ沿道の観客の数は少なくても、フランスの再出発だと思えば気分もいいさ。

参照:france bleu 2020年4月15日付 “Courir le Tour de France en juillet, après deux mois de confinement, ça aurait été compliqué

text:五色の猫 photo: Equipe Cycliste AG2R La Mondiale