ツール新日程発表を受けて(4)バルデ

ツール新日程発表を受けて(4)バルデ

2020年ツール・ド・フランスの延期・新日程(8月29日〜9月20日)が発表された翌日、ロマン・バルデがツール参戦を宣言した。

本来ならば初のジロ・デ・イタリア参戦を経て、7月は東京五輪準備に費やすつもりだった。

ただし肝心の五輪は、1年先へと延期になった。またジロはいまだ日程が未定のまま。ここまですでに長い間待たされて、これ以上さらに待ちたくないという強い思いがある。また新型コロナウイルス禍から抜け出した直後だからこそ、「今年のツールは特別なものになる」という予感もある。ツール・ド・フランスこそが、直後9月末の世界選手権に向けた最高のトレーニングになる、という確信もある。だから予定を大胆に変更することした。

初めてのジロ参戦は、つまり来年までお預け。8年連続で、母国グランツールのスタートラインに並ぶ。

ロマン・バルデ(Ag2r la Mondiale)

待ち望んでいた朗報だ。最悪の事態も覚悟していたから。大会に飢えてる。ゼッケンをつけたくてうずうずしてる。もしもツールが新日程で無事に行われるのだとしたら、僕は出場する。

今朝(4月16日)は笑顔と共に目が覚めた。この2ヶ月、自分が自転車に乗っている意味が、分からなくなっていた。どうして単に体調を維持するためだけに自転車に乗らなきゃならないんだろう、って。でも今は分かってる。もしもすべてが上手く行けば、8月序盤にはレースを走れる。月末にはツールに出場できる。いまだ不確定な状況ではあるけれど、この見通しがあるだけでも、気分はずっといい。

ツールには世界トップ30が集結する。スリリングなレースになるよ。誰もが死にものぐるいで乗り込んでくる。とにかく今は、ツールが8月末に無事に行われるよう、祈るしかない。

参照:france info 2020年4月16日付 Romain Bardet : “C’est réjouissant d’avoir le Tour de France en ligne de mire”

text:五色の猫photo:Ag2r la Mondiale